
奥本氏に、最初ママさんブラスにどんな印象を持っていたか聞いてみると、「正直、あまり気は進まなかった。女性だけというコミュニティというのは色々問題が発生しやすいものだと思っていた。」しかし、実際に指揮をしてみると、「一般バンドも振っているが、ママさんたちの方が数倍熱心。まだ立ち上がったばかりというのもあると思うが、純粋に楽器がしたいという思いが強く伝わってくる。ただ、技術的にはかなり未熟だった。特に、いわゆる合奏能力というのが低く、各自がばらばらに音を出している状態だった。メンバー間のトラブルも今のところは、問題は特に無いように思う。始まって半年が経つが、やっとみんなが打ち解けてきた、という感じ。久しぶりに楽器を演奏する、知らない人ばかり、指揮者は変わった人ということで固くなっていたと思う。ある程度慣れれば余裕も生まれ、サウンドも変わってくる。今はそういう時期だと思う。」と語る。
村上氏は、この活動を始めてよかったことは、「子育て中のお母さんという、外へ出ることも、コミュニケーションをとるにも難しい立場の女性をみんなで受け入れようという体制がとれたこと。子育てサークルも最近は多くあるけれども、話すことやコミュニケーションを上手くとれないお母さんにとっては苦痛になる場合もあると聞いている。それが、ブラスの練習も兼ねているなら、ストレスも発散でき、アンサンブルをすることによって話さなくてもコミュニケーションをとることができ、好きな音楽をすることもできる。そういう場を創れたことだ。」と語る。
それとは逆に、問題点としては、「まだ表面化していないが、ブランクが長い人、短い人がいて楽器の腕も様々であるし、楽譜を読むのに時間がかかる人もいる。年齢層が広いのも、「ぷらす!」の特徴であるが、ジェネレーションギャップがあるという意見も出ている。しかし、これは、一緒に音楽をやっていくうちに、時間を重ねていくうちに解消できるのではないかと思う。」と考えている。「また、メンバーがうなぎのぼりに増えて合奏が充実してきたが、入りたいという声に応えきれなくなってきたことが挙げられる。子供のことを考えると、人数が多くなるのは大変でもあるし、また危険でもある。しかし、やりたい人を断るということも心苦しい。やりたい人が多く、そこをどのようにして解決していくかが、最大の問題点である。」第四表に掲げる、ママさんブラスで行った意識調査によると、入団しようと思った理由で、一番多かったのが、もう一度楽器が吹きたかったからである。「TVや映画で吹奏楽が取り上げられていて、見る度・聞く度に吹きたいと思っていた」「楽器を吹ける喜びをもう一度味わいたかった」「みんなで合奏がしたい」と思っている人が多かった。また、ママさんブラスだから入ったという人が、とても多いことに驚いた。やりたいが、諦めている人が多かったということが分かる。
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